20世紀初頭、フランスの化学者ガットフォセが実験中の事故で火傷を負い、ラベンダーの精油(エッセンシャルオイル)を用いてその効能を自ら体験したことから、この植物療法をアロマテラピーと命名したことが始まりです。
植物の香りの成分は、数千年もの間、古くは古代エジプト文明の時代から薫香や浸剤のかたちで使われていました。
日本においてアロマテラピーが普及し始めたのは、90年代前半のこと。
アロマテラピーは今後ますます注目を集めていくことでしょう。
社団法人 日本アロマ環境協会では、アロマテラピーを次のように定義しています。
アロマテラピーはエッセンシャルオイルを用いてホリスティックな観点から行う自然療法。
アロマテラピーの目的は以下のとおりです。
1.リラクセーションやリフレッシュに役立てる
2.美と健康を増進する
3.體や精神の恒常性の維持と促進を図る
4.體や精神の不調を改善し正常な健康を取り戻す
植物が作る天然の芳香成分(エッセンシャルオイル)を使って、心と體と美容のトラブルを改善する自然療法です。香りには感情に働きかける力が強く、疲れた心を癒したり集中力をアップさせ、勉強や仕事の効率を上げる効果があります。
精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、高血圧・糖尿病・癌など様々な病氣を引き起こすことが解明されています。
アロマテラピーには、このような體の不調の改善や予防に効果があると考えられてます。
植物の中には多くの有効成分が含まれています。 昔から怪我や病氣に薬草として使われてきたものも多く存在します。 市販されている化粧水にもローズヒップ、カモミール、ラベンダー などが使われています。 アロマテラピーはエッセンシャルオイル、ハーブなどを素材にして、 入浴剤、マッサージオイル、化粧水、ボディークリームなどを作り、 生活の中で楽しみながら利用する健康方法です。 |
アロマテラピーには植物から抽出したエッセンシャルオイルを用います。
エッセンシャルオイルは、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。
エッセンシャルオイルは、各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものです。
300種類以上のエッセンシャルオイルが存在しますが、エッセンシャルオイルを抽出するためには多くの植物を必要とするため、高価なものも多数存在します。
エッセンシャルオイルは、原則として純度100%のものを指します。
希釈したものや香料などを添加したオイルは、純度100%でないことから「フレグランスオイル」、「ポプリオイル」、「アロマオイル」などと呼ばれます。
このような安価なもので香りを楽しむだけの場合は良いでしょうが、質の悪い香料などが含まれる場合は、頭痛や吐き氣の原因になる場合もあります。
アロマテラピーを楽しみたい方は、「100% Pure Natural」、「Pure Essential Oil」などと表記されているエッセンシャルオイルを選びましょう。
アロマテラピーは、その自然からの贈り物である豊かな アロマ(=aroma:芳香)を私たちの心と體の健康に役立てる 自然療法、または植物療法の一つです。 しかしエッセンシャルオイルは植物の花や葉、根などから 抽出される際に、自然の状態に比べかなり濃縮されています。 ですからアロマテラピーでは、その濃縮されたエッセンシャル オイルを心身にとって安全で心地良く受け入れるために、 植物油などのキャリアオイル(=carrier oil:エッセンシャル オイルを薄めて身体に運ぶもの)で必ず希釈して使用します。 |
■ エッセンシャルオイルが體に取り込まれるメカニズム
嗅覚を通しての精神・生理作用
鼻から取り込まれた香りの分子が鼻の奥にある粘膜で電氣信号に変換され、嗅神経を介して脳へと伝わります。
経皮吸収
キャリアオイルにより希釈されたエッセンシャルオイルの有効成分は、 皮膚の表層部分(表皮)より更に下の真皮にまで到達する優れた浸透力を持っており、 体液や血液、リンパ液などにのって體中に運ばれます。
吸入による作用
呼吸と共に肺の肺胞から血管系へ入り、血液に吸収され全身に行き渡ります。
飲むことによる摂取(推奨いたしません)
海外では医師の指導のもと、エッセンシャルオイルを内服する場合があります。
しかし、肝臓や腎臓に重大な影響を及ぼしたり、神経組織に影響を与える場合もあります。
エッセンシャルオイルの内服は非常に危険ですので、絶対に避けて下さい。
また、乳幼児が誤って飲み込んだりしないよう、保管には十分お氣をつけ下さい。
アロマテラピーに使用するエッセンシャルオイルは非常に高濃度であり、使用法を誤ると著しく健康を損ねる可能性があります。
原液を直接お肌に付けないで下さい。
肌に使用する場合は、植物油(キャリアオイル)で1%以下に希釈して下さい。
※顔などの敏感な部分に使用する場合は、さらに低濃度での使用をおすすめします。
アロマテラピーは基本的なルールを守っていれば、ご自身のビューティケアに、ストレスケアに、生活に幅広く役立てることができます。